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フェラーリ F40 スピードメーター解析と修理 その2


スーパーカー、スポーツカー専門ECU修理 HEART Inc.

ざっくり言うと…

  • アルファロメオSZのメーター回路基板とF40のメーター回路基板は「似ている」
  • 互換性は無いが、回路が正常なら基板をスワップして速度も距離計もいい加減でも動作はするはず
  • F40のメーターはモーター側も故障している?

実験、データ記録。実験、データ記録…

スピードメーターやタコメーターなど、常時指針が変化しているメーターで、速度用のモーターであれ距離計のモーターであれ、この時代のモーターが故障することはめったにありません。っていうか見たことがありません。
モーター本体の故障というのは、デジタル制御で動作する「ステッピングモーター」があるだけです、この時代のVeglia製電気式スピードメーターにはこのステッピングモーターは使われていません。
故障らしい故障は、距離計のギアの歯が欠けて距離計が動かなくなることだけです。

…もうこうなったら修理工数を度外視して、2つのメーターの各部を場合分けして1つ1つの状態で動作検証をしていく以外にありません(T.T)
非常に検証数が多く時間がかかる作業ですが、製品の開発設計経験が無いと出来ない作業です。こんなことはメーカー以外には出来ないでしょう。
オーナー様からは、前に修理を依頼した業者さんが入手した新品のICも預かっていますので、1つのメーター当たり2つのモジュール、3種類のICの組み合わせで、合計12通りを全て動作確認すれば、どの組み合わせの時動作し、どの組み合わせの時に動作しないのかが把握できます。
うー大変だーでもやるしかないー(T.T)

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と、言うわけで、七転八倒しながら、動作させるための改善を施しても純正時と同じ速度を指すことが出来るようになりました。
たとえ分解しても、改善を加えていることはわからないので、フェラーリクラシケ認定も問題ありません。

さらに重なる新たな不具合…

ところが、ここに来て、オーナー様が持ち込んだ、「修理屋さんで買ってもらった新しいIC」の動作がおかしいことに気が付きました。
このままでは、バッテリー電圧だけで正常動作していても、エンジンをかけたとたんに動作しなくなるはずです。

オーナー様にお願いして、ICの入手先を聞くと、睨んだとおり、中国の通販サイトでした。
そこで、同じICを購入する手続きをして、販売サイトにちょっと専門的な質問をしました。
すると、間もなく回答のメッセージが…

Dear sir,
I am so sorry to tell you that we just test the goods before shipping. The goods is out of fuction.
Our city is wet and moist, I think we do not protect the goods in correct.and this goods is old datecode. So Order need cancel,sorry!
In order to make the process easy for us to make the refund to you!
Please select a reason for cancellation: “other reason” OR “I do not want this order” when you cancel the order!
Then the full money will return back soon and easy!
Warm Rgds
(拝啓、私は出荷前に商品をテストしていることを申し訳なく思っています。 商品は動作保証外です。
私たちの街は雨が多く湿っていますが、私たちは商品を正しく保管していないと思います。さらにこの商品は古いデートコードです。 だから注文はキャンセルする必要があります、申し訳ありません!
あなたに払い戻しをするためのプロセスを簡単にするために、次のキャンセルの理由を選択してください:「他の理由」または「この注文を希望しません」!
その後、完全なお金はすぐに戻って簡単に戻ります!
穏便な対応を願います。)

彼らが本当に出荷前にICをテストしているかどうかは不明ですが、テスト設備には相当なお金がかかります。不良品と分かっていて安く仕入れたんでしょう。お金と人をかけて1個1個律義に試験するとは思えません。その上、自分たちの在庫の保管方法がICにとって適切でないことを認めました。
出所不明の専用ICでも販売している中国ですが、それを購入して使用する側も、検証試験スキルが無いと大変な憂き目にあいます。
皆さんも、気を付けてくださいね。

やっとの思いで修理完了

ICが不良品と分かっていても、とりあえず現状の回路で動作するようにせねばなりません。CADソフトと回路シミュレーションで実験を繰り返し、何とか通常動作するようになりました。
CADやシミュレーションは技術とスキルの塊のため公開することはできませんが、ここまでやればまず間違いありません。
机上で動作確認をして、オーナー様にメーターを返却、実車での動作確認も取れました。

はぁ、なにはともあれ、一件落着の顛末でした。

フェラーリ, マセラティ, ランボルギーニ, ロータス専門
ECU, コンピューター, メーター, 特殊電装品・電子回路製品 修理, リビルト
解析再構築, オリジナル電子回路設計・開発
HEART Inc.

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Published inF40フェラーリメーター技術故障解析修理

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