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ランチアデルタHFインテグラーレ16Vエボルツィオーネ(Lancia Delta HF Integrale 16V Evoltion) メーター修理



スーパーカー、スポーツカー専門ECU修理 HEART Inc.

ざっくり言うと…

  • ランチアデルタインテグラーレのスピードメーターが壊れるらしい
  • サーキットなどで200㎞/h以上出すと、壊れることがあるらしい
  • ラリーベース車両らしく、毎年式仕様が変わっている

ECUの修理を始めてしばらくすると、友達にレース関連の工房を紹介されました。
何でも、ランチアデルタのメーターが壊れて、何回か買い換えてみたものの、まともに動かないとの事。

ランチアデルタHFインテグラーレ16Vエヴォルツィオーネ

言わずと知れた、90年代にラリーで世界中を席巻したクルマですね。
いまだに根強い人気がありますが、酷使することが前提のクルマなので、程度のいい奴は少ないです。

せっかくご紹介いただいたので、早速横浜にある工場を訪ねてみる事にしました。

ジャガーDタイプ

いきなり’50年代後半のレーシングカーのお出ましです。この年代はイタリア、ドイツ、イギリスなど各国のメーカーがレースで国の威信をかけた、群雄割拠の時代です。
こういうシンプルで、明確な目的のために作られたクルマはかっこいいですね。

さて、件のデルタのメーターを3台預かりましたが、3台が3台とも仕様が少しずつ違っています。
よく考えたらさもありなん、この頃のデルタはほぼ毎年マイナーチェンジを繰り返しています。

’86年 デルタHF 4WD
’88年 デルタHFインテグラーレ
’89年 デルタHFインテグラーレ16V
’92年 デルタHFインテグラーレ16Vエボルツィオーネ
’93年 デルタHFインテグラーレ16Vエボルツィオーネ2

年々名前が長くなっていきますw
まぁラリーに勝つために、そのベースとなる車両を少しずつ改良しているわけですね。
ただでさえ何の予告もなく部品が変わることなんてザラにあるイタリア車で、年の途中であっても部品や仕様が変わるなんてごく当たり前のことです。

Lancia Delta 16V Instruments
Lancia Delta 16V Instruments2
90年代初頭は機械式メーターと電気式メーターが入れ替わろうとしている時期です。
なので、このモデルはまだプリント基板じゃありません。厚いプラスチックのフィルムに銅箔がプリントされているものが使われています。
電子回路設計業界では「フレキシブル基板」なんて呼んだりもしていますが、そこまで高尚なものではないと思いますw
おそらく、ランプにもフィラメント電球が使われているし、電流が多かったため、銅箔パターンを太くして、大きな基板はガラスエポキシよりずっと安かったんでしょうね。
スピードメーターが0km/hを指していないのも、タコメーターが0rpmを指していないのも故障ではありません。こういう仕様なんですね。
どうも、20km/h以下は不正確で暴れるため、わざと止めている感じです。理由は止めていないものもあるからです。

20151028144957-0302_1680-300
同じフェイスでも針の一番下が違うスピードメーター

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針を電気で動かすか、ワイヤーで回すかの違いがはっきり出ています

機械式のメーターはワイヤーで動かすため、低速ではワイヤーの回転が不安定になり、メーターの針も暴れてしまいます。ギアなど機械部分はそのまま、回路とモーターを追加して、電気駆動式にしました、ってくらいフレームやギアは同じです。
動かないのは電気式メーター。でもモーターに電圧を加えるとあたりまえだけど針はしっかりと速度を指します。
と言うことは原因はモーターのすぐ横にある小さな制御基板のようです。

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リード部品の載る基板A面
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表面実装部品の載る基板B面。抵抗、コンデンサ、ダイオード、トランジスタが見えます。
目視確認ではB面の部品には問題は無さそうなので、まずはA面のリード部品から確認していきます。

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部品を慎重に基板から外します。
外した部品の性能を、一つ一つ測定器にかけます。

基板を取り外して、外観チェックでわかっていたことですが、大きな固定抵抗が燃えていますね。耐電力1W程度の抵抗でしょうから、電流制限抵抗でしょうか?
トランジスタが壊れて抵抗が焼けたのか、過大電流が流れて抵抗が焼け、トランジスタが壊れたのか。コンデンサの容量抜けもありますから。電流は結構流れる回路なんでしょうね。
ダメな抵抗、コンデンサなど受動素子を交換して、トランジスタは耐電流の大きなトランジスタに交換します。
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部品交換後の基板。どの部品を変えているかわかりますね。

当たり前と言えば当たり前ですが、240km/h以上の速度を出した時に、それが規格外だから壊れて当然、と考えるか、それとも規格外でも壊れないようにするかで、部品の選定思想は変わります。
新しい耐久性のある部品を使用して修理して、現代の要求仕様に応えるように改造するのも、時代の流れですね。
ただし、まったく同様の部品を使用しなければならない素子、高性能な素子を使用しても動作が変わらない素子を見極めるのは、電子回路の知識が無いと難しいです。

長々と書きましたが、修理の流れを動画にまとめたので、ご覧くださいね。

フェラーリ, マセラティ, ランボルギーニ, ロータス専門
ECU, コンピューター, メーター, 特殊電装品・電子回路製品 修理, リビルト
解析再構築, オリジナル電子回路設計・開発
HEART Inc.


Published inメーターランチア技術自動車部品解析修理

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