Skip to content

ロータス エリーゼ/エキシージ メーターの違いと故障の概要


スーパーカー、スポーツカー専門ECU修理 HEART Inc.

ざっくり言うと…

  • ロータス エリーゼ/エキシージの各シリーズでメーターが違う
  • S1、S2で見た目が同じでも回路基板さえ違う
  • 各シリーズのメーターで故障ポイントが違う

前記事
ロータスエリーゼ(Lotus Elise) スピードメーター故障と解析 その1

ここのところPorscheの記事ばかりをアップしていたので、このブログでの影がちょっと薄くなった感のあるLotusですが、有難いことに定期的に修理の依頼を頂いています。
しかしながら、Lotus Eliseのメーター修理の記事を書いて5年も経ってしまったので、各シリーズにおけるメーターの故障の代表例などを改めて書きたいと思います。

見た目はどのシリーズもほとんど変わらない

まずは外観から。

1996~2000年のS1のメーター。中央部に「STACK」のロゴマーク、裏側は横長のコネクタが一つです。


2001~2006年のS2ローバーエンジンのメーター。「Shurlok」製で後部のコネクタが2個に増えます。


2004~2007年のS2トヨタエンジンのメーター。S2ローバーエンジンのメーターと外観は全く一緒です。


2008年~2011年のS2のメーター。エリーゼ、エキシージ共同じメーターです。

2012年以降のS3のメーターはフェイスが少し違いますが、おそらく2008年S2と中身は全く同じだと思います。
その他、並行車などでマイル表示やエアバッグのインジケータなどでフェイスが微妙に違うものもあるようですが、大別すると上記の4種類に分かれます。

メーカーが違うのにSTACK製のS1とShurlok製のS2前期と見た目がまるっきり一緒なのは、実はSTACKが設計したもので、製造はもともと南アフリカの ”PFK Electronics”と言うメーカーがOEM製品として製造したものです。
2013年にLotusとSTACKが喧嘩して、以降STACKは340Rのメーター以外のLotus純正のメーターのサポートを拒否しているので、STACKから引き上げた設計書類をLotusがPFK ElectronicsのOEM部門である、”PFK Shurlok”というブランドに製造をお願いしている、と言うのが本当のところだと思います。

前置きが長くなりましたが、次はメーターの中身と典型的故障についてです。

(タイトルをクリックして記事を展開できます)

1.1996~2000 Elise S1


左側の面は裏ブタを開ければすぐ見えますが、右側の面は速度計、回転計の各針を外さないと見えません。他のブログで針を引っこ抜いて、モーターの軸ごと抜いてしまう猛者もいますが、軸をモーターに差し戻して正常に動作することは非常にラッキーです。安易に針を引っこ抜かず、専用工具を使用して抜くのが普通です。


恐ろしいことにS1のメーター内には乾燥剤が2個入っています。まぁどこから水が入っても不思議ではないロータスの事なので、さもありなん、な感じですが、シリカゲルでは吸湿しても排湿してしまうので、意味ないですw メーターのハウジングは完全密閉ではないですからね。
さて故障は以下のような例があります。

  1. 速度計が動かなくなる

  2. 液晶のバックライトが消える、または部分的に暗くなる。文字が消える・かすむ


    • これはどちらも、液晶表示モジュール全体を交換するしかありません。純正モジュールはとっくに生産中止です。代替同一性能の液晶表示モールを見つけるしかありません。
      ところが、そのバックライトがオレンジの液晶表示パネルまでもう既に生産中止です。バックライトが青や白で我慢するか、メーター全体の色を変えるしかありません。
      当社はバックライトがオレンジの液晶表示モジュールをいくつか在庫しています。

  3. メーター全体が一切動かない、イルミネーションも点かない。ヒューズは一切飛んでいない。

    • 炎天下で長めの距離を走行した後、休憩をして再び始動すると一切メーターが動作しなくなったりします。この故障の頻度は低いですが、あり得ます。
    • メーター内では+12Vの電圧を5Vに変換して電源としていますが、この電源回路のICが故障します。
      実際にメーターを開けて分解しないと判断は出来ませんが、高い確率で修理可能です。但しICの交換が必要になるので簡単ではありません。

2.2001~2006 Elise/Exige S2 ローバーエンジン


S1のメーター同様、左側の面は裏ブタを開ければすぐ見えますが、右側の面は速度計、回転計の各針を外さないと見えません。針を抜くのはS1のメーターよりさらに難しく、モーターの軸と針は接着剤で緊結されています。しかし、このステッピングモーター自体に設計不良があり、基本的には交換を前提に考えれば、無理に抜くのもアリです。但し、絶対に指針を壊してはなりません。代替部品が無いからです。

S2のメーター内にはバカげた乾燥剤は入っていません。意味がない事に気づいて、LotusかSTACKがShurlokに乾燥剤を入れる指示をしなかったんでしょう。賢明ですw
故障については、次項の3. S2トヨタエンジンのメーターの項目を参照してください。

3.2004~2007 Elise/Exige S2 トヨタエンジン


一見するとローバーエンジンのメーターと何が違うんだ? と思いそうです。確かにプリント基板はほとんど一緒ですが、よく見るとICの搭載されている数が違います。よくよく見るとプリント基板も違う事が理解できるでしょう。

S2ローバーエンジンの場合、車速センサ、エンジン回転数ともにデジタル化されたそれぞれの信号をECUからメーターに送ります。しかし右側のS2トヨタエンジンの場合、車速、エンジン回転数とも混在させてCAN信号でエンジンECUからメーターに送ります。このため、ICの搭載が違っています。

さて故障は以下のような例があります。

  1. 速度計だけ、または回転計だけ、もしくはその両方が動かなくなる(ローバー、トヨタエンジン共)

    • これらの故障の場合、可能性として高いのは針を動かすステッピングモーターの不具合です。速度計が動かなくなった場合、もちろん一番最初に速度センサーを疑いますが、S2になるとABSが実装されます。速度信号はABSモジュールからエンジンECUにCAN信号で送信されるので、ABSモジュールも疑う必要がありますが、速度センサーとABSモジュールに問題が無い場合、そもそも不具合を持っているステッピングモーターの可能性もあります。
      まず最初にLotus専用のOBDスキャナを使用して、エラーコードを読み取ってください。
    • 回転計も速度計と同様、ステッピングモーターの不具合の可能性があります。どちらも走行中に、「ジージー」と小さな音が出ていたら、モーター故障の警告音だと思ってください。

  2. 走行中に突然、速度計、回転計が同時に動かなくなり、液晶表示の水温、ガス残量、距離などの表示が消える。また何かの拍子で突然正常に戻り、良不良を繰り返す。OBDスキャナでもエラーは出ていない。(トヨタエンジンのみ)

    • これらの表示が一斉に停止したり正常に戻ったりを繰り返す場合、エンジンECUからのCAN信号に物理的不具合が生じている場合です。コネクタの接触、IC周辺のはんだ接合部の微細なクラックなど、プリント基板内の接触不良が考えられます。
      これをだましだまし放置するとICが故障して2度とメーターが動作しなくなります。ICの交換を伴うので修理代も高額になりますので、速めの修理を検討してください。

4.2008~2011 Elise/Exige S2


2007年までのモデルからするとフェイスの色はもちろん、内部のプリント基板の回路構成ががらりと変わります。
コネクタは再び1個に集約されて、速度、回転数を含むすべての警告ランプもデジタル化されます。
もはやセンサーからのアナログ信号は入らず、エンジンECU、ABS、エアバッグ等、デジタル制御信号入力のみとなります。
部品の実装密度が上がった分、分解はさらに難しくなり、速度計と回転計の針を抜くには、ステッピングモーターを破壊しなければならなくなります。ステッピングモーターは、S1、S2前期とは全く違うモーターとなり、入手もしづらく在庫も少ないです。

まだ新しいこともあり、デジタル制御とも相まって故障は少ないですが、ウイークポイントは以下になります。

  1. 夏場など、室内が30℃を超えてメーターが温かくなると液晶表示が読めなくなるほど薄くなる。

    • S1、S2前期は液晶表示パネルは業界標準品で、バックライトの色にこだわらなければ比較的入手しやすいモジュールでしたが、2008年モデル以降は専用品となり、世界中どこを探しても個別販売はしていません。おまけに中国製のLCD表示パネルのため、このモジュールを製作していた企業自体の存在が確認できません。したがって、モジュールのどこが悪いのか、回路を解析して修理する必要がありますが、既に原因は特定してあり、修理も可能です。

    2012年からのS3モデルも、ワークショップマニュアルからすると内部の回路は同じものだと思われますが、LCDパネルは別メーカーの可能性もあります。これから次第に表示が消えるトラブルが増えてくると考えられますので、もしも暑い時に液晶の表示が消えたら、弊社にご相談ください。

イギリスのロータス・カーズの年間生産台数は2000台にも及びませんが、国別では日本が最も売れて、10%に近い毎年200台弱が新車登録されています。
軽くて適度なサイズで楽しい。日本にぴったりのピュアスポーツカーなので、中国資本になってもこのままでいてほしいですよね。

フェラーリ, マセラティ, ランボルギーニ, ロータス専門
ECU, コンピューター, メーター, 特殊電装品・電子回路製品 修理, リビルト
解析再構築, オリジナル電子回路設計・開発
HEART Inc.


Published inメーターロータス故障解析修理

Be First to Comment

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    CAPTCHA


    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

    error: Content is protected !!