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ロータスエリーゼ(Lotus Elise)スピードメーター故障と解析 その3



スーパーカー、スポーツカー専門ECU修理 HEART Inc.

ロータスエリーゼ(Lotus Elise)スピードメーター故障と解析 その1
ロータスエリーゼ(Lotus Elise)スピードメーター故障と解析 その2

ざっくり言うと…

  • モーターやICを1個1個外して単体チェック試験をしてみた
  • スピードセンサーの経年劣化に対して、回路自体が対応できていない
  • 別に電子回路を設計して、追加回路を入れることで対応しました

STACK社からの無回答は、覚悟していたとは言え、やはりちとショック。
ダメならダメで仕方ないけど、もうちょっと対応を考えてくれても…
そう考えると、日本はどんな業界も神対応が多いですね。ありがたい話ですね。

  • Elise_instruments_inside
    Elise_instruments_inside
  • PCB_Aside
    PCB_Aside
  • PCB_Bside
    PCB_Bside
メーターのケースの中身

さてこの基板に入る信号は、デジタル信号だけではなくアナログ信号も含まれている事は、実車の測定とサービスマニュアルからわかっています。
スピードメーター信号はアナログ。タコメーターの回転数信号はECUからデジタル信号が来ています。
しかしスピードメーターもタコメーターも、どちらも全く同じ形状のモーターを使用しています。
モーターは、一般的な電池で動くモーター(DCモーターと言う)ではなく、デジタルパルスで動くステッピングモーターの超小型のヤツです。
日本製でここまで小さいステッピングモーターは見たことがありませんし、日本車のメーターにはもっと大きくごついものが使用されています。
ステッピングモーターを使用している、ってことは、すなわちスピードセンサーの信号は、アナログ信号からデジタル信号に変換しているってことです。
専門用語だと、A/D変換といいます。

IMAG0778_2_1600
スピードメーターのモーターを外す

IMAG0779_1600
スイス製のステッピングモーター

元々はスイスの「Switec」というメーカーのモーターですが、現在は2回も買収されて、現在は中国メーカーでのOEM生産…
あやしい、怪しすぎる…^-^;
しかし調べてみると、輸入車のメーター用モーターとしては定番のようで、他車種ではこのモーターの不具合もあるようです。
んじゃ、デジタル信号をプログラムして、モーターの単体試験をしてみましょう!


なんかジージー音がしてるけど、動作はしています。
問題は無いかもしれないけど、念のためこのモーターは交換しておきます。
これで不具合の原因はモーターではなく、基板にあると推測できます。

さて次はいよいよ回路!
幸いプリント基板は両面2層のみです。
プリント基板は、回路の集積度と部品点数の量により銅箔パターンの総数が増えます。2層、4層、6層…
自動車用ではありませんが、凄いものだと16層、32層など、恐ろしいものもあります。
パターンから回路図を追う逆解析は4層までが限界です。それ以上はもう手を出せません。

ひたすらパターンを追いかけ、回路図を作成していきます…
んで、引けた回路がコレ。
この程度の逆解析でも、丸1日はかかります^-^;

Elise_AD変換回路概念図
スピード信号変換回路

なるほどなるほど、アナログ信号をデジタルに変換する一般的回路です。
抵抗やコンデンサ、ダイオードなどを受動部品に異常はありませんでした。

しかしこの回路、ちょっとおかしいです。
ここから専門用語をちょっと使用しますw
解析した回路からシミュレーションモデルを作成して動作を確認すると、スピードセンサーの特性が常に新品の、一定の状態を前提として回路が作られています。
センサーのインピーダンスも低いことが前提で、変化してしまうと対応できない回路になっています。
しかしスピードセンサーは激しい温度変化、湿度変化、電気的変化にさらされています。経年変化でインピーダンスが変化したら、デジタル信号への変換の様子も変わってしまうはず。その対策が一切なされていません。
う~、コレじゃスピードメーターが動かなくなって、センサーを交換しても焼け石に水です。経年変化で同じ故障を繰り返すはずです。

IMAG0785_2_1680-200
小さなICを基板から外して、個別に試験をします。パターンを壊さないようにするのは大変!

原因は、モーターや部品の故障ではなく、回路の設計自体の甘さから来るものです。つまり設計不良。
何度スピードセンサーを変えてもそのうち動かなくなるだろうし、おかしな信号が入っているうち、メーター自体の部品もご臨終します。

おかしな信号に対応できるように保護回路を追加し、更にインピーダンス変換回路を追加するため、OP-Amp ICを追加して根本から回路変更をしちゃいました。


擬似スピードセンサー信号を印加してみて、動作することを確認!

メーターの修理をしているうちに、交換したはずのスピードセンサーのインピーダンスを測定してもらったら、案の定高い!
新品に交換した上、メーターを装着、実車でもまともに動作することを確認しました。
めでたしめでたしww

結果、ロータスのSTACK製メーターアッセンブリは設計不良があります。
センサーや部品の特性が非常に厳しく、一見するとメーター内の不具合はわかりません。
また、液晶の表示の不具合や不点灯など、液晶の不具合も出ますが、これも結露やはんだ剥がれ、液晶モジュールそのものの不具合などが根本原因ではなく、もっと単純で簡単、しかし根が深い不具合が原因です。
これら液晶表示の不具合なども解決いたします。

ロータスのメーターの不具合でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
世界中どこも直せなかったメーターをレストア・リビルトいたしますよ!

フェラーリ, マセラティ, ランボルギーニ, ロータス専門
ECU, コンピューター, メーター, 特殊電装品・電子回路製品 修理, リビルト
解析再構築, オリジナル電子回路設計・開発
HEART Inc.


Published inエリーゼコンピューターメーターロータス技術自動車部品解析修理

4 Comments

  1. 111 111

    エリーゼフェーズ1のオーナーです。この記事を読ませていただいて不安になって来ました。まだ故障はしていませんが予防策を講じた方がよいですかね?

    • yazz@heartinc yazz@heartinc

      コメントどうもありがとうございます。
      既にスピードセンサーは欠品している模様で、メーターが動作している車体のセンサーでも内部断線を起こしているケースが多々あるようです。
      予防に越したことはありませんが、CPUやメモリなどが壊れてしまうような致命的故障は少ないので、まだ救いようがあります。
      ただ、故障したまま放置すると、他の部分にまで影響が無いとは言い切れないところが、最も怖いのです。

  2. T K T K

    2006年式、111Rを所有しております。
    昨年。7月にメーター交換をしたのですが、タコメーターが動いたり、動かなかったりを
    繰り返してしまいます。 特に、しばらく乗らないと覿面です。
    修理のお願いをしたいのですが、お見積もり(概算)を頂くことは可能でしょうか。
    ご検討、よろしくお願いいたします。

    • yazz@heartinc yazz@heartinc

      コメントをどうもありがとうございます。
      車両の情報が頂きたいので、問い合わせのページより、メールにてお問い合わせください。
      よろしくお願いいたします。

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