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ポルシェ911 964と993のエアコン 各コンポーネントのテスト項目と方法


スーパーカー、スポーツカー専門ECU修理 HEART Inc.

ざっくり言うと…

  • 964と993のエアコンのトラブルシューティングガイドのつづき
  • 一つ一つ丁寧に検査すれば、消して難しい事ではない
  • 修理代を節約するためにも、自分で切り分けられるように

前記事
ポルシェ911 964と993のエアコン 問題の切り分けとトラブルシューティングガイド

前の記事で、964,993のエアコンのコントロールユニット(CCU)の制御するコンポーネントとトラブルシューティングについて解説しました。
このページでは、そのトラブルシューティングガイド内で記述しているテスト項目について解説していきます。

エアコンの各コンポーネントのテスト項目

fig.14 リレーソケットでのショート方法

fig.15 CCUのピン配置

(タイトルをクリックして記事を展開できます)

A. CCUファンテスト

イグニションをONにします。エンジンは始動しないでください。CCUの裏側にある小さなファンが回転を始めます。

  1. ファンは回転していますか?

    • はい: 問題ありません。2.に進みます。
    • いいえ: CCUの修理が必要です。
  2. 何か異常な音が出ていますか?

    • はい: CCUの修理が必要です。
    • いいえ: 問題ありません。3.に進みます。
  3. イグニションをOFFにします。OFFにした直後はCCUファンは回り続けます。5分程度から最大20分程度までCCUファンは回り続けます。
    20分以上経過して、CCUファンは止まりましたか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: CCUの修理が必要です。

B. 左右ブロアファンテスト

CCUで風量ノブを0~4まで動かしてみます。フロントのブロアファンが回転します。

  1. ブロアファンからの風量に変化がありますか?

  2. CCUを外し、車体側のCCUのハーネスのコネクタでK2pinとG34pinをジャンパ線でショートします(fig15参照)。ブロアファイナルステージを経由して左ブロアファンが高速回転しますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: ブロアファンファイナルステージの故障です。
  3. 車体側のCCUのハーネスのコネクタでK2pinとG31pinをジャンパ線でショートします(fig15参照)。ブロアファイナルステージを経由して右ブロアファンが高速回転しますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: ブロアファンファイナルステージの故障です。

C.フットウェルサーボモーターテスト(風量設定は【3】にしておきます)

  1. CCUのフットウェルスライダー(下側スライダー)をゆっくりと左右に動かしてみます。足元のフットウェルベントからの風量が変化しますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: フットウェルサーボの故障かもしれません。2)に進みます
    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: フットウェルサーボの故障です。

D.デフロストサーボモーターテスト(風量設定は【3】にしておきます)

  1. CCUのデフロストスライダー(上側スライダー)をゆっくりと左右に動かしてみます。フロントガラスのデフロストベントからの風量が変化しますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: デフロストサーボの故障かもしれません。2)に進みます
    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: デフロストサーボの故障です。

E.リサキュレーションフラップサーボテスト

  1. CCUのリサキュレーションボタンを押します。フラップが閉じて室内への風量が増えた感じがしますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: リサキュレーションフラップ自身の問題か、スプリング(964)か、バキューム(993)か、フレッシュエアフラップモーターの問題の可能性があります。

F.A/Cコンプレッサクラッチテスト(964)

  1. エンジンルームのリレーボックス内部のACコンプレッサリレーを外し、リレーソケットに書いてある端子30と端子87をジャンパ線で接続します(fig14参照)。クラッチは繋がりますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: どこかに問題があります。
  2. リレーを元に戻し、エンジンを始動します。CCUの雪マーク(964)を押します。ACコンプレッサクラッチが繋がり、同時にリサキュレーションフラップが開き、冷気がベントより出てきますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: どこかに問題があります。


fig.14 リレーソケットでのショート方法

G.A/Cコンプレッサクラッチテスト(993)

  1. CCUの大きな雪マーク(AC強のショートカット)を押します。ACコンプレッサが繋がり、同時にリサキュレーションフラップが開きます。デフロストとフットウェルフラップが開いている場合は同時に閉じます。温度設定は最低温度にセットされ、風量は最大の【4】になり、冷気が勢いよく吹き出しますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: どこかに問題があります。

H.デフロストボタンテスト

  1. エンジンを始動し、CCUのデフロストボタン(ショートカット)を押します。デフロストフラップが開き、風量は最大の【4】になり、温度設定は最高温度にセットされます。デフロストボタンONは、外気温によってACのコンプレッサをONにします(外気温依存です)。デフロストサーボが開き、風量は最大になり、温風が出てきますか?(エンジン始動直後は熱い温風は出ません)

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: どこかに問題があります。

I.フレッシュエアサーボモーターテスト

  1. エンジンを始動した状態でCCUの温度設定ノブをゆっくりと最低温度から最高温度まで動かしてみます。フロントフードを開けて、レインカバーを外してフレッシュエアサーボの動作を見てください。スムースに開いた状態、閉じた状態になりますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: フレッシュエアサーボの故障かもしれません。2)に進みます。
  2. エンジンを始動した状態でCCUの温度設定ノブをゆっくりと最低温度にして、CCUのリサキュレーションボタンを押します。フロントフードを開けて、レインカバーを外してフレッシュエアサーボの動作を見てください。スムースに開いた状態、閉じた状態になりますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: フレッシュエアサーボの故障です。

J.左右ミキシングフラップサーボモーターテスト

  1. エンジンを始動した状態でCCUの温度設定ノブをゆっくりと最低温度から最高温度まで動かしてみます。フロントフードを開けて、レインカバーを外してミキシングフラップサーボの動作を見てください。スムースに開いた状態、閉じた状態になりますか?左右とも同時に動作しますか?左右の動きは対照に動作していますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: ミキシングフラップサーボのどちらかが故障しています。

K.リアファンテスト

  1. エンジンルームのリレーボックス内のリアファンリレーを外し、リレーソケットに書いてある端子30cと端子87cをジャンパ線で接続します(fig14参照)。ファンは低速回転しますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: リアファンかリアファンレジスタのどちらかが故障しています。次の2)を確認します。
  2. リレーソケットに書いてある端子30と端子87をジャンパ線で接続します(fig14参照)。ファンは高速回転しますか?

    • はい: リアファンに問題はありません。
    • いいえ: リアファンが故障しています。


fig.14 リレーソケットでのショート方法

L.コンデンサファンテスト

  1. フロントフード内にあるコンデンサファンリレーを外し、リレーソケットに書いてある端子30cと端子87cをジャンパ線で接続します(fig14参照)。ファンは低速回転しますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: コンデンサファンかコンデンサファンレジスタのどちらかが故障しています。次の2)を確認します。
  2. リレーソケットに書いてある端子30と端子87をジャンパ線で接続します(fig14参照)。ファンは高速回転しますか?

    • はい: コンデンサファンに問題はありません。
    • いいえ: コンデンサファンが故障しています。


fig.14 リレーソケットでのショート方法

M.オイルクーラーファンテスト

  1. フロントフード内にあるオイルクーラーファンリレーを外し、リレーソケットに書いてある端子30cと端子87cをジャンパ線で接続します(fig14参照)。ファンは低速回転しますか?

    • はい: 問題ありません。
    • いいえ: オイルクーラーファンかオイルクーラーファンレジスタのどちらかが故障しています。次の2)を確認します。
  2. リレーソケットに書いてある端子30と端子87をジャンパ線で接続します(fig14参照)。ファンは高速回転しますか?

    • はい: オイルクーラーファンに問題はありません。
    • いいえ: オイルクラーラ―ファンが故障しています。


fig.14 リレーソケットでのショート方法

以上、各コンポーネントのテスト方法でした。
基本的にはフラップモーターとファンの動作の確認に終始しますが、もちろん、冷媒抜けやプレッシャースイッチ、993の場合はバキュームのエア漏れなどに起因する場合もあります。

CCUの故障を疑うのは、最後の最後です。あらゆるコンポーネントに問題が無いのに、一部機能が動作しなかったり、CCUを交換しただけで正常動作するような場合にはCCUの内部故障の可能性もあります。

一見複雑な空冷911のフルオートエアコンでも、修理をあきらめず、快適な911ライフの一助になることを願っています。

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Published in911エアコンポルシェ故障自動車部品解析修理

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